小動物における安全性試験
単回経口投与試験
試験標題:ラットを用いた単回経口投与毒性試験
試験期間::2014年9月25日-2014年11月20日
試験施設:株式会社ボゾリサーチセンター御殿場研究所
試験目的:被験物質をラットに単回経口投与したときの毒性を調べた。
要約
試験用液の単回経口投与による毒性変化について、ラットを用いて検討した。
投与量は2000mg/kgとし、これに対照群(蒸留水を投与)を加えた計2群を設定して、l群雌雄各5匹のSprague-Dawley系SPFラットCCrl:CD(SD)、日本チヤーノレス・リバー株式会社、厚木飼育センター〕に単回強制経口投与した。
1) 死亡状況
死亡動物は雌雄いずれにも認められなかった。
2) 一般状態
雌雄いずれの動物にも異常は認められなかった。
3) 体重
雌雄とも順調な体重推移を示した。
4) 病理学検査
雌雄いずれの動物にも肉眼的な異常は認められなかった。
以上のことから、試験用液をラットに単回経口投与した際の最小致死量は、2000 mg/kgを上回り、毒性は低いと推定された。
試験材料及び方法
Sprague-Dawley系SPFラット(Crl:CD(SD)、日本チャーノレス・リバー株式会社、厚木飼育センター〕の雌雄各16匹注)を5週齢で入手し、当所で7日間検疫・周1化飼育した後、一般状態、体重増加量及び群分け時の体重を基に健康な動物を選び、6週齢で試験に供した。
動物は、群分け当日(投与前日)の体重に基づいて、各群の平均体重ができるだけ均等となるよう体重層別化無作為抽出法により各群を構成した。
投与時の体重範囲は雄で173~ 184 g 、雌で133~147 gであり、雌雄とも平均値の::t20%以内であった。
群分け後の余剰動物は投与3日後(2014年10月9日)に試験から除外し、動物管理責任者に移管した。
飼育条件
動物は、温度23:f:30C(実測値:23-240C)、相対湿度50土20%(実測値:49-54%)、換気回数l時間当たり10-15回、照明1日12時間(07:00-19:00) の動物飼育室(飼育室番号:704号室)で動物をブラケット式ステンレス製網ケージ(W254 x 0350 xH 170 mm :リードエンジニアリング株式会社)で個別飼育し、固形飼料CR-LPF (放射線滅菌:オリエンタノレ酵母工業株式会社、ロット番号;140619, 140718) 及び御殿場市営水道水(給水瓶)を自由に摂取させた。また、環境エンリッチメントとして7979Cダイヤモンドツイスト(HarlanLaboratories, Inc.、ロット番号;7979C-121713P) をl週間にl回以上の頻度で設置した。
試験結果
致死量
死亡状況及び最小致死量をTable1に示した。
対照群及び2000mg/kg投与群の雌雄いずれにおいても、死亡動物は認められなかった。
したがって、最小致死量は雌雄とも2000mg/kgを上回るものと推定された。
一般状態
一般状態をTable2-1、2-2及びAppendix1-4に示した。
対照群及び2000mg/kg投与群の雌雄いずれの動物にも、観察期間を通じて一般状態に異常は認められなかった。
体重
体重変化をFig.1、Table3-1、3・2及びAppendix5-8に示した。
2000 mg/kg投与群の雌雄の体重は、観察期間を通じて対照群とほぼ同様に推移し、対照群との聞に有意差は認められなかった。
病理学検査
剖検所見をTable4-1、4-2及びAppendix9-12に示した。
対照群及び2000mg/kg投与群の雌雄いずれの動物にも、体外表並びに頭部、胸部及び腹部の器官・組織に肉眼的異常所見は認められなかった。
考察
試験用液の単回経口投与による毒性変化について、ラットを用いて検討した。
投与量は2000mg/kgとし、これに対照群(蒸留水を投与)を加えた計2群を設定して、l群雌雄各5匹のSprague-Dawley系SPFラット(Crl:CD(SD)、日本チヤールス・リバー株式会社、厚木飼育センター〕に単回強制経口投与した。
雌雄いずれの動物にも死亡は認められなかった。
一般状態において雌雄いずれの動物にも異常はなく被験物質投与の影響は認められなかった。
体重において2000mg/kg投与群の雌雄とも観察期間を通じて対照群とほぼ同様に推移し、被験物質投与の影響は認められなかった。
剖検において雌雄いずれの動物にも異常はなく被験物質投与の影響は認められなかった。
以上のことから、試験用液をラットに単回経口投与した際の最小致死量は、2000 mg/kgを上回り、毒性は低いと推定された。
復帰突然変異原性試験
試験標題:細菌を用いる復帰突然変異試験
試験期間::2014年9月29日-2014年10月16日
試験施設:株式会社ボゾリサーチセンター東京研究所
試験目的:細菌を用い、試験用液の遺伝子突然変異誘発能の有無を明らかにすることを目的とした。
試験方法
1) ニュートリエントブロスNO.2培養液10mLを滅菌済みL字型試験管(容量48mL)に入れ、凍結保存菌株を解凍して得た菌懸濁液をS.typhimurium T A株は各20μL、E. coli WP2 uvrAは10μL植菌し、振渥恒温槽(COOLBATH SHAKER ML-10 PU-6
接続型、タイテック株式会社)にセットした。
2) これをプログラム制御により前培養開始まで40Cの水浴中に放置(6時間30分)した後、振重量(100回/分)しながら370Cに上昇後9時間前培養した。なお、使用後の菌懸濁液は廃棄した。
3) 前培養終了時に培養液の吸光度をデジタル比色計(Miniphoto 518R、タイテック株式会社)で測定し、生菌数が1x 109個/mL以上あることを確認した。なお、培養液は使用まで室温下に維持した。それぞれの菌株の換算生菌数を表3に示した。
試験操作(プレインキュベーション法)
1) 滅菌した小試験管に調製した被験液、溶媒又は陽性対照溶液を0.1mL入れ、これに代謝活性化しない場合は0.1mol/Lリン酸緩衝液(pH7.4) 0.5 mLを、代謝活性化する場合はS9Mix 0.5 mLを加えた後、それぞれの小試験管に各菌株の培養液0.1mLを加えた。
2) 小試験管を慣持後すぐに370Cで20分間振渥(80回/分)しながらプレインキュベーションし、これに450Cに保温されているトップアガーを2.0mL加え慣祥後、最小グルコース寒天平板培地に均一に重層した。なお、これら1)-2)の一連の操作は、紫外線吸収膜付蛍光灯下で実施した。
3) 最小グ、ルコース寒天平板培地に重層したトップアガーが固化したことを確認し、最小クcルコース寒天平板培地を逆さにしてインキュベータに入れ、370Cで48時間培養した。
4) 培養後、プレート上の被験物質による沈殿及び着色を確認した結果、代謝活性化の有無にかかわらず313陀/p1ate以上の用量で沈殿が認められたため、目視による計数を行った。陽性対照については自動コロニーカウンタ(コロニーアナライザーCA-11 D systems、システムサイエンス株式会社)を用いて計数(面積補正、補正値:1.21 )した。また、実体顕微鏡を用いて菌に対する生育阻害の有無を観察した。
判定基準
被験物質処理群の復帰変異コロニー数が自然復帰変異コロニー数(陰性対照値)に対して2倍以上となる増加を示した場合に陽性と判定した。
なお、判定に際して統計学的手法は用いなかった。
観察結果
試験は19.5、78.1、313、1250、2500及び5000陀/plateの計6用量で実施した。
その結果、本被験物質によるプレート上の沈殿は、代謝活性化の有無にかかわらず313同/plate以上の用量で認められた。
本被験物質によるプレート上の着色は、代謝活性化の有無にかかわらずいずれの用量においても認められなかった。
また、実体顕微鏡を用いて菌に対する生育阻害を観察した結果、代謝活性化の有無にかかわらずいずれの菌株においても認められなかった。
本被験物質による復帰変異コロニー数は、代謝活性化の有無にかかわらずいずれの菌株においても陰性対照値の2倍以上となる増加は認められず、用量反応性も認められなかった。
試験系の成立条件
陽性対照値がそれぞれの菌株の陰性対照値に比較して2倍以上となる復帰変異コロニー数の増加を示し、陰性対照値及び陽性対照値の復帰変異コロニー数の平均値が背景データの管理値(AttachedData) 内であり、無菌試験及び試験操作において雑菌の混入などの異常も認められなかったため、実験が適切に実施されたものと判断した。
考察
本被験物質は代謝活性化の有無にかかわらずいずれの菌株においても陰性対照値の2倍以上となる復帰変異コロニー数の増加は認められず、用量反応性も認められなかった。
一方、陽性対照群では陰性対照群と比較して2倍以上となる復帰変異コロニー数の増加を示したことから、使用菌株の復帰突然変異誘発物質に対する反応は適切であったことが確認され、試験は適切に実施されたものと考えられた。
以上の試験結果より、本試験条件下において「試験用酵素飲料水」は、細菌に対する遺伝子突然変異誘発能を有さない(陰性)と判定した。
(株)ボゾリサーチセンター(東京)2104年9月報告
ヒト喫食経験の安全性試験
喫食希望の健常人約50名に対して有病者約100名に対して
*粉末は、1日9gを3回に分け30日間以上飲用
*液は、1日100mlを約90日間以上飲用
これまでに副反応は認められておりません。